一般社団法人日中医学交流会

活動報告
ACTIVITIES

津山中央病院 がん陽子線治療センター 見学

2016年11月25日 更新
#医学交流

癌の治療方法には、外科手術、化学療法、放射線治療があります。放射線治療は患者さまにとって負担が軽く、特に高齢者や手術が不可能であった患者さまに適した治療法です。従来の放射線治療はX線やガンマ線などを使用していました。

そして今回ご紹介する「陽子線」とは、重粒子線(炭素イオン線)と同様に元素(水素)の原子核を加速したもので、放射線の一種です。陽子線治療の最大の特徴は、対象患部の深さや範囲に合わせてピンポイントで照射し、正常な組織を傷付けずに身体の奥にある癌病巣だけをダイレクトに破壊できること。そのため、治療効果が高く、かつ重要な臓器を守ることができます。患者さまの体にメスを入れることなく癌病巣を狙い撃ちし、周囲の正常な組織への副作用を最小限にできるのです。

津山中央病院 八木伸明部長のご協力のもと、最先端の癌治療設備「がん陽子線治療センター」を見学させていただきました。当サイトでは初公開です!

施設のエントランス

まずは設備の概要を模型で説明。

放射線の照射事故を防ぐため、出入口付近の通路は傾斜した設計です。

廊下の先、広さ500m2・高さ10mもの巨大な装置がある「加速室」へ。

中央の赤いポンプには15年分の水素が入っているそうです。

青色と赤色の装置が360°環状に連なり、中で水素をプラズマ化し、陽子を取り出します。

青は陽子線を加速し、赤は加速した陽子線を取り込んでさらに加速します。

高い所から全体を見てみましょう。

先端のパイプが別の部屋へと繋がっています。

模型で見るとより分かりやすく示されています。

隣室へ。こちらの通路も傾斜しています。

巨大な回転装置を正確にコントロールします。

回転音はなく、とても静かです。

最後は「陽子線照射室」へ。照射装置を回転させ、癌の大きさや深さに応じて、最適な角度から陽子線を照射します。

※人物・団体・媒体名は掲載時の情報です。

一覧にもどる

▼他の活動報告を見る

ページのトップへ戻る